工藤浩司オピニオン 公式ブログ


世界を飛び回る日本人   工藤浩司のオピニオン  
by kudo_koji_blog
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
《プロフィール&連絡先》
《連絡・相談・質問》

dgdfk247 @ ybb.ne.jp まで。

≪PROFILE≫
工藤 浩司 (くどう こうじ)
1971年青森県十和田市生まれ。

<応援ホームページ>
トータル・ケア・カウンセリング
http://stresscare.exblog.jp/
フォロー中のブログ
検索
ライフログ
以前の記事
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

指導教授の選び方

ヨーロッパに限らず指導教授選びは大学選びと同じぐらいの重要性を占める。半分が大学の設備や質であれば、指導教授はその半分を占めると言ってよい。

ここで、指導教授というのは自分の受けるコースすべての先生という意味ではない。最終的に博士論文を3年なり5年なりかかって指導してくれる教授である。

修士課程でも論文を書く場合は指導教授が存在するが、博士課程への道をつけてくれるという意味では修士課程の教授もとても重要な存在である。

実はイギリスではたくさんの指導教授とのトラブルを目にした。私が博士研究者の代表をしていたという理由もあるのだが、たくさんの問題を聞いた。指導教授が自分の論文を認めてくれないというのもあれば、アポイントがとりにくいとか、頻繁に会いすぎるなんていうのもあった。

有名な教授であればいいというわけではない。忙しくてなかなか会う暇がない人も多い。あるいは、有名になって博士論文の指導など興味のない人もいる。中には外国人に接する態度が、妥当ではない教授もいるということも聞く。大切なのは知名度だけではなく、実際の人柄や指導への熱意が大切だということだ。

私なりに指導教授を選ぶ基準を考えてみた。

①人柄:日本に限らず人柄は大きな地位を占める。実際には推薦状をお願いしたり、時には、助手として働いたりすることもある。そういうときに、親身になって助けてくれるような人であることが必要である。これは、現地にいって、その教授の評判を聞かなければならない、ということでもある。

どのような指導者を選ぶにせよ、事前にメールでやり取りをすることをお勧めする。その際に、感じられる人柄は重要な判断基準になると思う。

②専門分野:教授の専門分野が自分の興味にあっているかどうかも重要である。時に、自分のほうが、専門分野での知識が上となってしまうこともあるので、注意すべきだろう。

実は私の博士論文の指導教授は私の分野(戦争犯罪)を厳密には専門としていなかった。国際法は国際法だが、私は国際刑事法で、指導教授は国際法だが、別の分野に興味があったようだ。

実際に指導されてみての感想だが、特に問題はなかったということだけ付記しておきたい。チェックされるのは論文のロジックの部分であって、細かな情報ではないからだ。細かな情報では指導者よりも博士研究者のほうがよく知っているというのはよくあることである。

経験のある指導者は自分よりも博士研究者のほうが知っているということに気がついても驚きはしない。

博士論文の本質はそういうところにあるわけではない。博士号の本質は、自分の主張を書き、それが筋立てて書いてあり、妥当な理由に基づいているかどうか。それを口頭で守りきれるかどうか、それが試されるだけである。

すべてにおいて、指導者が上でなければならない、と思っている人は妥当な指導者ではないだろう。私も入学当初、「あなたの分野で私よりも知識が上になることなどすぐできます。でも、博士論文ではそういうことが問われているわけではありません」と言われたことがある。

③博士論文の指導経験:これはあまり指摘されないことだが、今までどれだけの人数の人間を指導してきたのか、ということだ。一人の教授が、生涯、指導する博士研究者の数はせいぜい20人から30人。年間にして、2人もいれば多いほうだろう。たくさん経験している指導者のほうが、よりよい指導を受けられる。

最初の1年は指導というよりも、とにかく書かせることを要求したほうがいいのだが、経験のある人はあまりうるさく言わずそれができるのだが、経験のない指導者は「質」にこだわり「量」を指導することを忘れてしまう傾向がある。

経験のある指導教授は段階を視野にいれて指導する。最初の1年目はこれ。2年目はこのぐらい。最後の年はこれ・・・というようにである。最初の年に必要なハードルを最初の年に要求するようなことがあってはならないし、それは指導ミスであろう。

④年齢:若い指導者は要求が強すぎて、研究者に過度のプレッシャーを与えてしまう傾向がある。私が知る多くのケースでも、1年程度の研究者が、過度の要求でつぶれそうになっていた。

⑤モデルとしての影響力:自分が将来こうなりたいという部分をその指導教授は持っているかどうかも私は大切だと思っている。私は、国際法の分野でもっとも影響力のある教授ということで、レスター大学を選んだが、後悔したことはない。

圧倒的な存在感の前に、何度となくひざまずきそうになったものだが、「浩司、同意してはいけない。反対しなさい」とよく言われたものだ。世界的に影響力のある学者に、数年にわたり対等に扱われた経験は、今でも強く残っていて、今は、それが自分の心の財産になった。

⑥留学生を指導した経験:留学生を指導した経験が豊富かどうかはとても重要な視点である。経験のある指導教員は最初の段階では言語の問題に固執しない。言語のテストではないからである。

留学生の指導を経験したことのない教授は、「言語のつたない人=知識のない未熟な人」といった判断基準をもってしまい、留学生は低く判断されてしまう。留学生をたくさん指導したことのある教授はそのような判断はしない。うまく指導し、時に言語のサポートを指示したりもできる。
[PR]

by kudo_koji_blog | 2008-03-02 19:19 | 博士号(PhD)取得への道
<< 新しい記事がアップロードされています value (価値)とpric... >>